西地区福祉委員会 《福祉体験学習》

2022年11月22日(火)西小学校の3年生と共に

11月22日、西小学校の第3・4時間目を利用して、小学校3年生と共に、福祉体験学習に17名の福祉委員が参加しました。この事業は、学校と地域と社協で取り組みものですが、今回は車いすを使用して、普段、自分たちが当たり前に生活をしている地域で、どういう問題があるのかを、自分がその身になって考える学習ですが、地域の福祉委員たちと一緒に話し合いながら進めていきました。約4人ずつのグループに子どもたちは分かれました。そこに福祉委員が1人ないしは2人つきました。

まず先生のご挨拶から始まりました。3年生は2クラスあり、63名の児童がいるようです。子どもたちも誰が来ているのかと興味を持っているようでしたが、私たち福祉委員も班分けをされたけれど、どの子どもたちと一緒になるのだろうかと楽しみでもありました。

一部の福祉委員の中には、3年生で福祉のことがわかるのかなあと疑問を持っている方もいましたし、いやいや小さい時から経験している方が、自然にこういうことを学んでいけるのではないかとの意見もありました。私たち福祉委員にとっても貴重な体験になるのが予測されました。

社会福祉協議会の石丸さん(マルちゃん)が、子どもたちに話しかけられていましたが、余りの上手さに感心しました。先ずはこの地域の事を子どもに聞くことから始まりました。そして65歳以上の人はどれぐらいいるだろうとの質問をしていきました。

この地域は北春日丘地区で、また65歳以上が3人に1人いることが説明されました。それだけ高齢者が多いという事でもありますし、体の不自由な方もいるのではとの話も出ていました。

次に実際に車いすの使い方を説明するのに、一人の男の子がじゃんけんで勝ち、車いすに乗る役をしました。閉じられている車いすを座れるように広げるところから始まりました。

乗っている人が、どういう時に怖さや危険を感じるかも実践してみました。乗っている男の子もそれを実感していました。そういう怖さや危険を感じさせないで、乗っている人が安心していられるための車いすの動かし方もマルちゃんから教わりました。

実際に1グループに1台ずつの車いすが与えられますと、途端ににぎやかになりました。そういう時の納め方もマルちゃんは見事でした。3回マルちゃんが手を叩くと、マルちゃんにみんなが注目して、マルちゃんの後でまねして3回手を叩くルールを最初に指導されました。反応よく子どもたちは切り替えをして話を聞いていました。

子どもたちは、車いすに乗る人、押す人、見守る人を交代で経験していました。そして学校内の移動と、学校を出て西公民館までのコースを実際に移動してみました。

最初、冗談半分の子どもたちもいましたが、学校の外に出たら坂も多く、登りの時に押すのがしんどくて、二人がかりで試みたりしていました。また乗り降りの時に、乗る人の足を一本ずつ優しく上げて乗せたりする等も学びました。急に両足をあげられてびっくりしたことからわかったようです。また坂を下る時にも自分が後ろ向きで歩くので、車いすがのしかかってくるようで、やはり二人で頑張っていました、もう一人の子が後ろを見てアドヴァイスをしていました。乗っている子どもが後ろ向きで下がる時は、なんだか怖いなあと話していましたら、大丈夫だよ、ちゃんと転がらないように頑張っているからと話していました。みんな近くの公民館まででもこんなに坂があって、方向転換しないといけないのはたいへんだ!と話していました。しかし学校に戻る時には、要領を覚えたので、自分が押す役をしてみたいと口々に言いだしたので、順番、じゃんけんとか言ってなだめたりしました。

校内でも、スロープがある意味が分かったようです。階段では車いすは動かせないからだよねと話していました。また壁にぎりぎりに接するような動かし方をすると、手が出ていたら擦ってしまうよねとか、見守り側の子も横についてられないとか、感じたようです。しかし安定した位置に車いすを動かすのは難しいとも話していました。重い時に二人で押したらいいかと思ったら、それぞれが片方ずつについていたら、二人の力関係が同じでないと真っすぐに進めないのもわかったようです。一人の見守りの子が、乗っている子に、大丈夫?とか、進むのが速くない?とか聞いていました。自分が乗ってみて、乗っている人の気持ちが分かるようになったのでしょう。短時間で、子どもたちは車いすを動かしながら、地域の問題点を体感したようです。また車いすを利用する高齢者や障害を持った方の気持ちを理解したようです。


体験後の、発表を聞いていても、地域には坂が多い事、乗ってみてその坂の上り下りの時の落ちそうな経験、自分の足で歩いたり走ったりする時には何の妨げを感じないのに、ちょっとしたことができないもどかしさがあったようです。車いすも動かすのに、いろんなレバーがあるなど、難しいと思ったようです。車いすに乗っている人が感じている目線で見る世界が、歩いている時に見える世界と違ったとか、普通にできることがどれだけすごい事かも感じたようです。

困っている人を見たら声掛けをしたり、また乗り物などで席を譲るなどすることの勇気というのはどこから出てくるのでしょう。他人事でなくて自分のこととして捉えて、相手に寄り添える力がきっと今回の経験を通して、子どもたちにも育っていくのではと思います。

西小学校の子どもたちは、知り合いの人たちに挨拶ができる子が多いです。登校時の見守りをしていても、もちろんしない子もいますが、ほとんどが挨拶をします。またお母さんたちが、登校時見守りの方々に挨拶をしたり、感じていることを話してくれます。子どもたちに、地域での日々のちょっとした心のつながりから始まるというのも知ってほしいなあと思います。地域の人たちが子どもたちを見守っていますし、何かあれば助けようと思っています。

最後に、コミュニティ・ソーシャル・ワーカーの新田さんが、話されていました。福祉とは特別なことではなくて、『普段の暮らしのしあわせ』を保っていけることで、当たり前に繰り返している暮らしの中でお互いが良い関係が作れる、そんな人のつながりが生まれていくことなのでしょう。今回は子どもたちと一緒に、良い体験ができて感謝です。