西地区福祉委員会 研修会

2024年2月29日(木)「さすてな京都」見学会

 久しぶりの出張研修会は、京都南部クリーンセンターに併設している「さすてな京都」で、ごみ処理に要する大規模な施設を間近に見学することができるというので選択しました。ごみ焼却施設の工場内部の様子を見ることができましたし、その処理までのごみの話や、処理中のこと、また今後の環境問題に至るまで学習できました。

 京都では、ごみの分別がきちんとなされています。さらにごみを出す時には有料の袋が決まっていて、各家庭はその袋でないとごみが出せないようになっています。この有料のごみ袋の導入によって約15%のごみが減ったようです。茨木市は、普通ごみと大型ごみの大型と小型、資源ごみ等に分けてはいますが、基本ごみ処理場では、なんでもOKという処理をしていますから違いを感じました。

 京都のこのさすてなでは2炉で一日500トンのごみを処理できます。生ごみを高温で乾燥させる段階で、もしリチウム電池が混入されていると発火して、さらに爆発することもあるなどの話も聞きました。実際にその映像を見せていただきましたが、炉の蓋を吹き飛ばすなどの威力があるようです。効率よくごみをほぐして、ごみの焼却によって発生した熱から作り出した高温・高圧の蒸気を利用して発電を行っています。余った電気は電力会社へ売却しています。また焼却の際に発生する排ガスは、ろ過式集塵機などで有害物質を除去します。

 手作業で分別をしている横大路学園において、分別されていないごみについての掲示がありました。普通ごみに包丁やカミソリ、フライパン、家電、インシュリン注射針、リチウム電池など危険なものが捨てられていますから、正しい分別を心掛けてほしいとのことです。

 プラスチックごみの分別もしてほしいということや、ごみの40%を占める生ごみでは賞味期限を過ぎた、あるいは過ぎていない食品が捨てられていることは、世界一フードロスの多い日本の特徴を示しています。このもったいない食品の扱い方も問題です。簡単に物を捨てる消費生活の見直しも必要と思われます。また約30%は紙のごみです。日本でも最近ペーパーレスの学習を推進されている学校もあるぐらいですが、時代の変化とともに、並行してごみ問題も考えられていくのでしょう。

 ごみを出すのを有料化することで、ごみを出しにくいとなるといらないものを持たない生活にもなりますが、京都は古いところなので、代々の先祖のごみを処分するのに一苦労されている方も多いようです。車等でタンスなどを持ち込んでおられる個人の姿を何件か私たちも見学しました。

 京都市では、不燃物やごみの焼却により生じた灰についてはエコランド音羽の社(東部山間埋め立て処分地、伏見区醍醐上山田1番地)や大阪湾広域処理場で埋め立て処分をしています。埋め立て処分地から発生する浸出水は、排水処理施設を設置し、浄化に万全を期しています。その埋め立て地も何年もつかという問題があったのですが、ごみ出しの分別と少量化が進んできて、50年後まで持つのではと言われているようです。いっぱいになったらまた別のところを探さなくてはいけないのですから、いかにごみの少量化が大事かと考えさせられます。

 今回の説明では、お聞きしていないのですが、京都は生物多様性についても熱心に取り組んでいます。環境問題は私たちの命の問題でもありますから、日々の生活をおろそかにせずに、自分たちがちょっとした気づきと努力で良い環境を守っていけるようにしていきたいものだと思います。今回、根本的な生活の仕方を見直す有意義な一日を過ごせることができました。