西地区福祉委員会 福祉研修会

2025年3月24日(月)ソーシャルインクルージョンヴィレッジ(Social Inclusion Village) の訪問

最近テレビでも放映をされて紹介されています奈良県の奈良学園大学跡地再利用活用プロジェクト、教育と福祉の総合コミュニティのソーシャルインクルーションヴィレッジ(Social Inclusion Village ) ですが、福祉研修会を考える時に、奈良県方面で今回は考えてみましょうと調べていましたら、このプロジェクトを発見しました。

則お電話をして、福祉委員会として見学をさせていただけないでしょうかとお頼みしましたら、丁度3月20日から関西で初めての『おもちゃ美術館』を開始しますとのことでした。年度末のぎりぎりでどうかなあと思ったのですが、この檸檬会の過去の試みについても調べてみますと、今これからの日本で解決していかなくてはいけない『暮らす』『働く』『学ぶ』『遊ぶ』の基本を、誰もができることを目指している試みだということを知り、広い視野で基本から福祉を考えるヒントを得られるのではと思いました。

本当に何回も檸檬会の方とは連絡をしあい、資料も送っていただいたリ、奈良おもちゃ美術館準備のお忙しいさなかであっても細かく対応をしていただきました。

バスで西地区福祉委員会の委員27名が、当日奈良学園大学跡地の広いキャンパスに向かいました。新しい総務広報部の福祉委員がバスガイドに立候補してくださって、バスの中では飽きることなく、みんなを笑わせてくれていました。やっと着いたものの、大学の建物がある敷地の広さにびっくりしました。このソーシャルインクルージョンヴィレッジの敷地は、東京ドーム3個分(13万m²)とのことです。

最初にソーシャルインクルージョンヴィレッジについての説明をお聞きしました。

このプロジェクトを始めた檸檬会は、最初は働く保護者の子どもたちの保育事業として和歌山の方で始めた事業だったそうです。2年目には埼玉県の方にも作り、現在は18年目だそうですが、全国で80の保育園を経営しているそうです。この事業をしている流れで、7年前に障がいを持つ人に気づき、2年前にこの三郷町の大学跡地の話が来た時に、すぐに利用したいとの要望を出されたそうです。ただ、大学が抜けてしまった町の将来を考えて、地元の人たちとの共同事業として一緒に準備されてきたようです。理想として掲げるのは、障がい者も健常者も、性別や世代、国籍なども関係なく、自分らしく生きる権利が守られ、誰もが受容される社会とのことです。こういう社会包摂を持続するために子どもたちに伝えることが大事と思われています。

所在地 〒636-0821 奈良県生駒郡三郷町立野北3-12-5 TEL 0745-44-3472, FAX0745-44-3452

アクセス ① JR『三郷駅』より徒歩約20分、②JR・近鉄『王寺駅』より系統29番『三郷町』行きバス乗車で湯ノ口下車約7分 ③JR・近鉄『王寺駅』より車で約10分

この三郷町は、令和元年にSDGs未来都市に選定されるなど、時代の変化に柔軟に対応している町でもあります。しかし新型コロナウイルス感染症の影響で、観光客減少など町の活気が失われつつありました。大学移転に伴い、町内での雇用の場所が少ないということも出てきて、町の取り組みとして、三郷町、医療法人藤井会、社会福祉法人檸檬会が代表を務める『檸檬会・ハウデイ・あをに工房事業共同体』、学校法人奈良学園が一体となって、大学跡地を『未来技術』『SDGs』『共生社会』を3つの柱に『生涯活躍のまち』実現に向けた核となるエリアを創出するのを目標に掲げています。

大学生主体のキャンパスから住民主体のキャンパスに転換をしています。

①就労継続支援A型・B型事務所

②4年生の福祉型カレッジ(就労移行支援事務所)

③介護士要請専門学校の創設

④障がいのある児童・父母を支援する総合型児童福祉施設を創設

⑤外国人向けの日本語学校 ハウディ日本語学校奈良校

⑥高齢者に生きがいを提供する就労型デイサービスの創設

⑦子どもと一緒に木のおもちゃ体験型施設 奈良おもちゃ美術館

私たちは、開館してまだ日の浅いおもちゃ美術館を見学させていただきましたが、早くから子どもを連れた親子がたくさん来られていて、おもちゃの遊び方の指導をしてくださる方もお世話をしてくださっていました。たまたまABCテレビの取材の方々もいらしていました。今週土曜日の早朝の番組で取り上げられるようです。

気が付いたら、昔に木のおもちゃで遊んだ70歳80歳代の福祉委員たちは、見学を忘れて、遊びに熱中していました。イベントでドミノ崩しをしていたのですが、その迫力にはびっくりしました。動画を載せたいのですが、容量が大きいので載せられないのが残念です。

外に出て、集合写真を撮っていただきました。童心に帰って、木のおもちゃに心を奪われる楽しい見学でした。

春休みで日本語学校はお休みでしたが、丁度バングラデシュのお二人が、休みでも勉強をしたくて登校されていてお話をしました。日本語も上手に話しておられていました。これから敬語の勉強もするそうです。他にネパールの学生さんも多いようで、互いの文化を知り合えるように、上のような掲示板があり、理解し合う助けになると思いました。

その後バスに乗って,奈良の平等院と平城京跡を見学をして、古の奈良の、当時としての先進性を持っていた人々の姿を思いながら、現在でもなお古い知恵の詰まった土地柄に新しい未来へと進もうとする息吹が存在しているというのを学び、若い方々が時代を考えての試みにワクワクする気持ちで、研修会を終えることができました。