災害時を想定した難病患児への移送支援にチャレンジ!!
「在宅で療養する難病患児は、人工呼吸器をはじめとする様々な医療機器を使用している場合が多く、医療機器の稼働には電源が必須です。
大規模災害などで停電が起こると医療機器の電源確保が難しくなるため、命の危機が迫ります」
茨木保健所の研修会でこの事を知りました。本協議会でも何か協力できることはないか検討したところ、本協議会には福祉車輌移送サービス事業で使用している車輌があるので、難病患児の移送或いは医療機器運搬等の支援をやろう!と決めました。
災害が発生した時、「災害時要援護者」と言われる難病患児の方々(家族も)は、複数の医療機器を持ち出す必要や、非常用電源を備えていても使用可能時間が6~9時間程度のため電力不足に陥る可能性もあるそうで、また入院も緊急事態だからとはいえスムーズに出来ないといった多くの課題があるそうです。
事業所による外部バッテリーの充電支援という仕組みも出来ているそうですが、今回は、市内介護施設への避難と電源供給確保の場面を想定し、難病患児の移送と機器の運搬、そして施設の受け入れという一連の「避難シミュレーション訓練」を去る7月30日に茨木保健所が主となり実施され、本協議会は難病患児の移送と使用機器運搬支援の役割として参加しました。
まずはお迎え。シミュレーションなので、今回は自宅ではなく公民館を借りて訓練を開始。医療機器は一つだけです。
早速お子さんを乗せて移動。移送ボランティアさんも、いつもは車いす利用者の介助がほとんどなので、“初バギー”での介助に少々緊張気味。
スロープを使って車に乗せ、しっかりとバギーを固定。医療機器は一つですが、他にも荷物があり車の中は満杯。
スロープを片付けて後ろのドアを閉め、介助者のお母さんにも乗ってもらい、受け入れ施設に向かって出発。
受け入れ施設に到着。施設の職員さんに誘導してもらい、ベッドと発電機が設置されている場所まで移動。(この日はテレビの取材や見学者も多く、この場面は写真が撮れませんでした。)
到着に合わせて訪問看護師さんも合流。お母さんと一緒に機器の設置を行い、難病患児の容体を確認して終了となりました。
何とか訓練は無事終了。本来は自宅から避難するので、長期避難を考えれば持ち出す荷物も機器も増えます。また、患者さんや介助者の体調も日々変化します。
それに災害時となると、道路の状況はもちろん、車が確保できているか、運転ボランティアさんは確保できるか…。不安や課題が浮彫になりました。
でも、本協議会では見つかった課題を多くの方々と協力し、少しずつ解決しながら支援が必要な人やご家族の役に立ちたいと思っています。
災害時のボランティアとしての協力に限らず、移送や運搬では事業所さんの協力を得られないだろうかとも感じました。
今回の訓練では、改めて在宅で暮らされている難病患児への支援体制を確保することが急務と思いました。本協議会では、より多くの市民の方々や各種事業所の方々に協力をお願いしたいので、災害時のボランティア活動や事業所として”何か出来ることがあるのでは”と関心のある方は、ぜひ社会福祉協議会ボランティアセンターまでご連絡ください。お待ちしています。